- 今の転職市場は本当に売り手市場なのか?
- 転職しやすい時期や企業の裏事情は?
- 転職活動は何カ月かかる?
といった疑問を抱えていませんか?
実は、転職は情報戦です。なぜなら、同じスキルでもいつ動くか・どんな準備をするか・何を基準に企業を選ぶかで、結果は全く違ってくるからです。
この記事では、人事歴13年の立場から、転職市場のリアルと正しい転職戦略をまとめて解説します。
この記事を読むと、転職に必要な準備が明確になり、良い求人が出た瞬間に動ける状態を作ることができます。
転職市場のリアルを理解しよう

転職活動は今すぐ始めるべき

結論から言うと、転職活動はこの月が有利というものはありません。
なぜなら、国が毎月発表している有効求人倍率の推移を見ると、ほぼ一定の数値で推移しているためです。
有効求人倍率とは、求職者1人につき求人が何件あるかを示す指標です。
- 倍率1.0 →1人あたり1件の求人
- 倍率2.0 →1人あたり2件の求人(=売り手市場)
コロナ禍でも長期的な数値の流れは大きく変わらなかったのがポイント。
つまり、「今は転職に有利な時期かな…?」と迷う必要がないのです。

最新の業種別転職求人倍率を見ると、
人材サービス、コンサルティング、IT・通信、建設・不動産
このような業界は長期的に右肩上がりで求人が増えており、以下の背景があります。
- 人手不足により採用を強化している業界が多い
- 企業成長に伴うコンサルニーズの増加
- IT化・DX推進によるエンジニア需要の拡大
- 不動産・建設は景気や国の政策による投資が継続
つまり、伸びる業界を選べば未経験でもチャンスがあるということです。
転職市場は大きく変わらず、さらに伸びている業界も多い。転職活動は、思い立った瞬間が一番のチャンスになります。良い求人は早く応募した人から面接枠が埋まるからです。
年収を決める要素は「職種×業界」である
転職市場を理解したら、次に知るべきは転職で年収が伸びる仕組みです。年収を大きく左右するのは、あなたのスキルよりも、選ぶ職種と業界です。
理由は簡単で、
- そもそも給与レンジが高い職種が存在する(例:ITエンジニア、コンサル、専門職系など)
- 成長している業界は人材に投資しやすく給与が上がりやすい
- 逆に衰退している業界は、どれだけ優秀でも年収が伸びにくい
たとえば、同じ5年目社員でも
- 事務職(安定だが給与は伸びづらい)
- ITエンジニア(需要が高く給与が伸びやすい)
では、年収の伸び率が全く違います。これはあなたの努力とは別の市場のルールです。
たとえるなら、川の流れが速い(伸びている業界・職種)に乗れば、同じ力で漕いでも遠くへ行ける。逆に、流れがほぼ止まった川(衰退産業)では、必死で漕いでも前に進まない。
つまり、転職は自分の努力だけでなく、どの川に乗るかで年収が決まるということです。
企業側はこう動いている。採用の裏側と時期の戦略

企業は1年間のスケジュールに合わせて動いているため、採用が活発になる時期があります。
採用は突然始まるものではなく、企業内での
- 事業計画
- 異動
- 賞与
- 決算
といったイベントに連動して動くからです。イメージとしては、企業のカレンダーに合わせて求人の波が起きると捉えると分かりやすいでしょう。
ここからは一般的な日本企業を想定し、 4月スタートの企業を例にして、四半期ごとの採用の動きを解説します。
◆第1四半期(4〜6月):採用は落ち着き気味
4月:異動・新卒入社
5月:前年下期査定発表
6月:株主総会
◆第2四半期(7〜9月):中盤に向け採用が動き出す
7月:夏のボーナス
8月:下期の配属発表
9月:上期決算
◆第3四半期(10〜12月):一年で最も内定が出やすい
10月:異動
11月:上期査定発表
12月:冬のボーナス、年末年始休暇
理由は2つあります。
- 人事は年内に採用目標を達成したい →年明けはバタバタするため、12月に内定数を増やしにいく。
- 求人広告・エージェントが最も本気になる時期 →TVや電車の広告が増えるのはこのため。
つまり、12月は採用のラストスパートなので、内定が出やすいのです。
◆第4四半期(1〜3月):年度末に向けて採用が加速
1月:年末年始休暇
2月:来期の配属決定
3月:総決算
企業の年間スケジュールを踏まえると、転職しやすい時期は次の順番になります。
- 第3四半期(10〜12月)
- 第4四半期(1〜3月)
- 第2四半期(7〜9月)
- 第1四半期(4〜6月)
ただし、これはあくまで傾向に過ぎません。なぜなら、採用は企業の都合で動きますが、応募成功は早く動いた人ほど有利になるからです。
求人は出てきた瞬間が一番選考が通りやすいですが、時間が経つほど他の応募者が増えて競争が激しくなります。

補足ですが、IT企業は3月決算ではない会社も多いため、求人の動き方がやや異なります。
- 通年で採用しているケースが多い
- エンジニア不足により、求人の波が比較的安定している
- 新規プロジェクトが始まる時期に採用が一気に増える
つまり、IT業界は他業界より、いつでも転職しやすい環境が整っていると言えます。
転職活動に必要な期間と全体スケジュール


転職活動は全体で 3〜6カ月かかります。だからこそ思い立ったらすぐ準備が成功への最短ルート。
転職は応募→面接→内定だけでなく、
- 自己分析
- 求人検討
- 現職の退職手続き
- 引き継ぎ
…といった多くのステップが必要だからです。
準備が整っていないと良い求人を見逃します。だからこそ、今すぐ準備を始める人ほど、より良い企業に出会える確率が上がるのです。
ここからは、転職活動を時期ごとに分けて具体的に説明します。
1日〜1カ月:自己分析が最初の壁。ここに9割の力を注ぐ
転職の成功は自己分析でほぼ決まります。
目的や軸が定まらないまま転職すると、「何となく環境が良さそうだから」といった曖昧な理由で選び、結果としてミスマッチが起きやすいからです。
- モチベーショングラフ
- TCL分析
- 価値観マップ
- ストレングスファインダー
- 個性診断
- MBTI適性テスト
ツールは答えではなく、考える材料。大切なのは、結果を見て「なぜそう感じたんだろう?」と自分と向き合う時間です。
転職方法は1つではありません。転職サービスごとに特徴が異なるため、自分の目的に合うサービスを選ぶことが重要です。
- 転職エージェント:相談しながら進めたい人向け
- 転職サイト:自分のペースで探したい人向け
- スカウトサービス:受け身でも求人が届く・市場価値が分かる
1.5〜3カ月:応募から内定まで
1〜2カ月:退職手続きと引き継ぎ。ここが意外と長い
内定後も油断はできません。
現職の有給休暇や引き継ぎ業務が必要だからです。
よくあるのが、「有給休暇が20日残っているから使い切りたい」というパターン。しかし、営業日で考えると 20日=ほぼ1カ月。
つまり、1カ月前にはすべての引き継ぎを終えておく必要があるのです。



ここで注意したいのがメンタル面。本当に辞めたいギリギリで自己分析を始めるのは危険だということです。
元気なうちに自己分析を始めるほうが、転職は圧倒的にうまくいきます。心が疲れ切っている状態では前向きな判断ができず、とにかく逃げたいという気持ちが強くなるため、求人選びが歪むからです。
面接官の視点で考えると、
- 元気がない
- 前職の愚痴が多い
- 疲れ切っている
人よりも、
- 明るい
- 前向き
- やる気がある
人を採りたいのは当然ですよね。
だからこそ、元気な時に動きだすほど採用側の印象もよく、結果が出やすいのです。
良い求人は本当に突然出てきます。そして、多くは 1〜2週間で募集が締め切られます。
つまり、
- 応募書類
- 自己分析
- 転職の軸
が整っていないと、応募したい求人が出てから準備では間に合いません。
求人はナマモノ。出てきた瞬間にすぐ飛びつけるようにしておかなければ、すぐ消えてしまうものなのです。
よくある質問10選


まとめ:転職で成功する人は「良い求人」にすぐ飛びつける準備ができている人


転職活動は、実は誰にでも勝ちパターンが存在します。
それは、
- 市場の状況を理解している
- 自分の軸が明確
- チャンスが来た時にすぐ動ける
という3つが揃っている人です。
転職市場は一年中チャンスがありますが、早い者勝ちであることもまた事実。求人は常に変動し、今日の良い求人が明日も残っているとは限りません。
あなたの人生を大きく前進させるために、ぜひ今この瞬間から準備を始めてみてください。正しく準備をすれば、転職は人生を豊かにする大きなチャンスになります。
